健康
1.32017
【医師監修】腸内環境を整える!美人とブスの分かれ道|磨くといえば、腸!
■記事監修医師
帝京大学医学部卒業
東京慈恵会医科大学麻酔科を経て
医療法人和好会金子病院 消化器 専門医
金子 実里 先生
カラダの中からキレイになる」とはよく言うけれど、カラダの中が美人な人とブスな人がいるのです! その分かれ目となるカギを握っているのが「腸」。なぜって、腸には食べた物を消化するだけでなく、カラダに有益な物質をつくり出したり、免疫力を高める働きもあるのです。
透明感のある美しい素肌美人と、肌がくすんで荒れた感じのブス子。この分かれ目は、実は腸にあったのです。ちょっと周囲の友達を見渡してみて。便秘&下痢知らずで動きがスムーズなキレイな腸の持ち主は、きっと肌もきれいなはず。一方、腸にトラブルがあると、肌が荒れたり、疲れやすかったり、口臭が強くなったりします。
その腸の健康を左右するのが、腸内に棲んでいる細菌。腸内には、100種類以上の細菌が棲んでいますが、大きく分けると善玉菌、悪玉菌、そしてどちらか優勢な方につく日和見菌の3種類。ビフィズス菌に代表される善玉菌には、「元気や美しさのもととなるビタミンをつくる」「カラダの免疫力を高める」「腸内を酸性に保つことで、排便を促したり、ウィルスや毒素の侵入を防御して感染を防ぐ」などの働きがあります。
一方の悪玉菌は、排泄しにくい便をつくるだけでなく、大腸に送られる食べカスに含まれるアミノ酸やたんぱく質を分解して有毒物質を生成し、様々なカラダの不調の原因に。
腸内環境は、その人のライフスタイルや食事によって、善玉菌が増えたり悪玉菌が増えたりの綱引き状態。悪玉菌が優勢になると、それまで害のなかった日和見菌まで悪玉に代わってしまうことも。つまり、腸内の善玉菌をせっせと増やすことが、カラダの中からの美人につながるのです。
・しなやかに腸が動いて、便秘&下痢知らず
・有害物質を体内から排出してくれる
・体の免疫力が高まる
・病原菌から体を守ってくれる…など
・腸の動きが鈍くなり、便秘や下痢を起こしやすい
・アンモニアなどの有毒物質を生成
・クサイおならや便が出る
・有害物質が血液に溶けて全身を巡るため、肌荒れや頭痛などの不調が出たり、口臭や体臭が強くなる
・病原体が繁殖しやすくなる
・長年続くと、大腸がんや動脈硬化などを引き起こす
善玉菌がキライなのは、不規則な生活。逆に、悪玉菌は不規則な生活やストレス、運動不足、お肉中心の食事や、甘い物の食べ過ぎを好みます。そう、悪玉菌を増やすか善玉菌を増やすかは、あなた次第。最近、オナラや便がクサイという人は要注意。悪玉菌が優勢になっている証拠ですよ。生まれて間もない赤ちゃんの腸には、まだ悪玉菌はいません。だから、赤ちゃんのウンチはくさくないのです。
外も内も美しくあるためには、いきなり赤ちゃんレベルを目指せとまではいいませんが、できるだけキレイな腸でいることが大切です。
腸内の悪玉菌は年齢とともに増えてきますが、ライフスタイルによってはキレイに保つことも可能。体調やライフスタイルから、腸の汚れ具合がわかります。さっそく、あなたの現在の腸年齢をチェックしてみて。
以下の項目で、当てはまるものをチェックしてみましょう。
便秘ぎみ、あるいは下痢ぎみ |
おならや便がクサイ |
肌がかなり荒れている |
肩こりや頭痛、食欲不振などの症状がある |
疲れやすい |
かなりストレスを感じている |
肉を食べることが多い |
ヨーグルトや乳酸菌飲料はあまり摂らない |
お酒をよく飲む |
甘いものをよく食べるが、その分食事は減らしている |
インスタント食品やファーストフードをよく食べる |
和食より洋食派 |
豆類や海藻類、根菜類はあまり食べない |
運動不足だ |
生活が不規則だ |
腸内年齢は赤ちゃんなみ
あなたの腸年齢は赤ちゃんなみ。このまま若くてきれいな腸を保つべく、ぜひ今の生活を続けてください。
腸内年齢20歳
腸内環境はまあ良好なので、今の生活を続けて大丈夫でしょう。ただし、「便秘ぎみ、あるいは下痢ぎみ」「オナラや便がクサイ」にチェックがついた人は別。腸内が悪玉菌よりに傾いているので、生活習慣を見直して。
腸内年齢40歳
ちょっと危険ゾーンに入りかけです。ちょっとした心がけでキレイな腸に戻れるので、がんばって。
腸内年齢60歳
毎日つらい思いしているのではありませんか?今が見直すいい機会。vol.3と4を参考に、生活の立て直しを図りましょう。
腸内年齢80歳以上
今のままでは、いずれ大きな病気になってしまいます。1日も早く、毒を出して腸をきれいにして。
WJでは、腸内を一度リセットし、環境をととのえる10日間の集中プログラムを作成。「最近、腸が汚れてるみたい」と感じているなら、ぜひ試してみて。
毎日働き続けている腸は、やはりお疲れぎみ。断食してちょっと休ませてあげると、元気を取り戻し、腸内にたまっている便が出やすくなります。
でも、決して無理はしないこと。また、体調が悪かったり、慢性疾患のある人は医師に相談してからにしましょう。丸1日はきついという人は、前の晩の夕食後から翌日の昼まででもOK。半日は休んだことになります。
1日目 |
準備日。
夕食は軽めに。 |
|
2日目 |
断食当日。
朝から断食開始。1日2リットルを目安に、水やお茶などの水分はしっかりと摂って。いつも通りの生活でOKですが、激しい運動や車の運転、長い入浴などは避けた方がいいでしょう。 |
|
3日目 |
復食日。
いきなり普通食はご法度。せっかく休ませた胃腸に負担がかかってしまいます。朝食には、お茶やすまし汁などとおかゆをゆっくりと少しずつよくかんで。 |
腸がきれいなったところで、善玉菌を増やしてさらに良い環境にしてあげましょう。それには、ヨーグルトや乳酸菌飲料が最適。
ヨーグルトなら、1日200gを目安に。善玉菌のエサになるオリゴ糖を一緒に摂るとますます効果的です。オリゴ糖はシロップが販売されているほか、バナナやきな粉、タマネギやヤーコンなどに多く含まれています。
断食から数日たったら、豆類や海藻類、キノコ、ゴボウやこんにゃくなど、食物繊維の多い食べ物をたっぷり摂ります。手軽に食べられるシリアルやドライフルーツ、納豆などは、特におすすめ。
乳酸菌は、ヨーグルトだけでなく、キムチや漬け物、みそ、しょうゆなどにも含まれています。一品だけを食べるのでなく、バランスのいい食事を心がけて。
さあ、これであなたの腸内は、善玉菌が優勢になっているハズ。今後、それを保てるかどうかは、あなた次第です。ストレスや睡眠不足を避け、適度な運動で、腸にやさしい生活を心がけましょう!
どんなにがんばって腸内をキレイにリセットしても、今までと同じ生活に戻れば、また悪玉菌が増えてきます。最終回では、キレイなった腸をキープするための、日常生活における3つのヒントを紹介します。
食事に気を使いたいけれど、忙しくてそうそう手をかけられないことも多いでしょう。そんな時は、自分だけの簡単にできるオリジナルメニューを決めておくと手軽に続けやすくなります。基本的には、乳酸菌、オリゴ糖、食物繊維が豊富なものに何かトッピングしていきます。
材料:ココア+豆乳+オリゴ糖(orハチミツ)
食物繊維とポリフェノールが豊富なココアに、オリゴ糖が入った豆乳の組み合わせ。甘味にオリゴ糖かハチミツを加えれば、味もGOOD。これからの季節はホットにして飲むのがオススメです。
材料:バナナ+飲むヨーグルト(プレーン)+きな粉+オリゴ糖(orハチミツ)
全部の材料をミキサーにかけるだけ。ミキサーにかけず、ヨーグルトにあえて食べるだけでもOK。乳酸菌とオリゴ糖たっぷりのベストメニューです。腹もちがいいので、朝食にこれ一杯でも。
簡単なエクササイズで腸に刺激を与えれば、よりスムーズな蠕動運動が起こり、排泄を促してくれます。上体を曲げたりねじったり、また腰を回すような動きがオススメ。
1) | 足を肩幅に開き、まっすぐに立つ。 | 1) | 床に座って、足を左右に伸ばして大きく開く。 | |
2) | 腰の横に手をあて、下腹やわき腹を意識しながら、骨盤を回すように腰をゆっくり回す。 | 2) | 片方の足に向かってゆっくり体をななめに前屈していき、そのままの状態で10秒キープする。 | |
3) | 右回し、左回しに各10回ずつ繰り返す。 | 3) | 右方向、左方向に各10回ずつ繰り返す。 |
今まで紹介してきたプログラムを実行すれば、かなりキレイな腸になるはず。でも、長年のガンコな便秘でどうしてもリセットが難しい場合は、「浣腸」や「腸洗浄」という手段もあります。ただ、安易に利用すると、ますます自分の力で排便できなくなってしまう可能性もあるので、日常的な使用はやめた方が無難。
また、40歳以上になったら、一度「大腸内視鏡検査」を受けてみるのも◎。この場合、受ける前に緩下剤を飲んで、消化器官をすべてきれいにします。お金はかかりますが、病気が隠れていないかを直接確認し、腸内をきれいにリセットできます。
一見スリムで美しい女性でも、実はガンコな便秘に悩んでいるというケースが増えています。
薬に頼っている人も多いのですが、頼りすぎは禁物です。外からの刺激にしか反応しなくなってしまい、かえって腸を汚くすることに。
まずは、食生活など生活習慣を見直してみましょう。少しずつ改善されるはずです。
薬に頼っている人も多いのですが、頼りすぎは禁物です。外からの刺激にしか反応しなくなってしまい、かえって腸を汚くすることに。
まずは、食生活など生活習慣を見直してみましょう。少しずつ改善されるはずです。
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